内閣総理大臣 小泉純一郎殿

“COOL BIZ”運動についての要望書

謹啓 新緑の候、益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
平素は、日本ネクタイ業界に対し、格別のご高配を賜り誠に有難く厚く御礼申し上げます。

 さて、日本ネクタイ組合連合会を代表して、政府主導で行われております「COOL BIZ(クール ビズ)」一連の広報活動につきまして、ここに要望を申し上げます。

 環境省が本年4月27日に発表された夏の新しいビジネススタイル「COOL BIZ」は、地球温暖化防止国民運動「チーム・マイナス6%」の活動の一つであり、夏のオフィスの冷房設定温度を28℃程度にするため、28℃の室温でも涼しく効率的に働くことができる「夏の軽装」を推進される運動であると認識しております。
日本の蒸し暑い夏に対応する「夏の軽装」「COOL BIZ」推進に対しては、当業界も決して反対の立場をとるものではありません。
 しかしながら、小池百合子環境相の一連のコメントにありますように「ノーネクタイ、ノー上着では体感温度が2度下がる」「夏、男性がネクタイをはずせば、女性のひざ掛けがいらないオフィスになる」「不妊が減る」など、あたかも“ノーネクタイ、ノー上着”という個別商品を敵視・排除するかのような発言は、当業界にとりまして大変影響が大きく、遺憾に存じております。

 現在、労働者人口に占めるホワイトカラー比率は50%を切り、今後団塊世代層の定年退職により、ますますその比率を低下させようとしております。またビルゲーツ氏やホリエモン(堀江貴文氏)などに代表されるIT業界関係者始め、30%を超えるサービス産業では、ネクタイを締めないカジュアル・ウエアやユニフォームでの就業や接客が当然のようになっております。
このようにビジネスやオフィス環境そのものが大きく変貌を遂げているのに、相変わらずビジネス=ホワイトカラー・ネクタイと考え、ネクタイを締めなければ、地球温暖化防止国民運動「チーム・マイナス6%」が達成されるかのような短絡的な思考回路と広報活動は再考されるべきではないでしょうか。

 また、クール・ビズの経済効果として、約1008億円の売り上げ増加につながるとされている第一生命経済研究所の調査結果も、ネクタイを外す、上着を着ないだけの運動が1人2万円から4万円の消費に繋がるとはとても思えません。
むしろ推定年間約2千億円とされるネクタイ業界の売上を2割から3割減らすことになるのではと、大きな危惧を抱いております。

以下、私どものネクタイとクール・ビズに関する意見を申し添えます

ネクタイは“寒いから締める、暑いからはずす”と言った、機能に重点を置いた商品ではありません。ネクタイは職場や個人の選択するスタイルの一つであり、規制に馴染むものではありません。
ネクタイは、ビジネスマンが自己表現するアイテムです。
日本のホワイトカラーはネクタイで個性を表現します。カラフルであったり、またダンディーであったり、個々のスタイルや、気持ちを表現するファッションアイテムと考えております。ネクタイはオンビジネスでの男のおしゃれアイテムの一つであり、使用の有無を含めて、本来自由に選択されるものと考えます。
6月父の日は、ネクタイの大型イベント期間です。
私共ネクタイ業界は昭和41年に、6月の第三日曜日を“父の日”として提唱し、これをきっかけとして一般に定着し、夏の大きな商戦の目玉となっています。ネクタイ業界も小売業態も、この時期の売上が年間売上でも大きなシェアを占めております。
このタイミングでネクタイを排除するがごとき政府主導のキャンペーンがスタートすることは大打撃であり、死活問題です。

上記述べましたことをご勘案戴き、何卒今後は“ノーネクタイ、ノー上着”との個別商品を排除するかのようなキャッチフレーズ及び広報活動の中止を切にお願い申し上げます。「COOL BIZ」推進に関しましては、連日30度を越える季節の7月8月の2ヶ月に限り、“軽装の奨め”“カジュアルウエア着用”を推進のキーワードとして、個人の自由意志に任せた上での実施を熱望いたします。

謹白

平成17年6月8日

  日本ネクタイ組合連合会
会長 小堀 剛

 

 
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